キャバ嬢の送りって緑ナンバーは必要?
キャバクラ等で働く女性が、営業終了後に“送り”で帰宅するのはもはや常識。
しかしこの「送り」には意外な法律リスク(道路運送法違反)が潜んでいます。
この記事では、送迎の実態・法律の要点・違法になるケース・事故時のリスクなどを、行政書士の視点でわかりやすく解説します。
キャバ嬢の「送り」とは?
営業終了後(深夜1?3時など)に、
店側がキャストを自宅・最寄駅・寮などに送るサービスのこと。
店にとってのメリット:
- 女性の安全確保(酔客やストーカー対策)
- 出勤ハードルが下がる(採用メリット)
- 帰りのタクシー代負担を避けられる
誰が送っているのか?実態は3パターン
パターン | 実態 | 法的リスク |
---|---|---|
店の従業員(運転手・黒服など) | 自家用車(白ナンバー)で運転 | ×道路運送法違反 |
外部の“送り専門バイト” | 白ナンバー+日払い | ×無許可輸送+労災無保障 |
緑ナンバー(一般乗用旅客運送業者) | 法人契約またはタクシー型送迎 | 〇合法 |
法律上の問題点
関連法:道路運送法 第4条、第78条
有償で人を輸送する場合は「一般乗用旅客自動車運送事業」の許可が必要(=緑ナンバー)
違法となるパターン
- 給料とは別に“送り手当”や“ガソリン代”名目の支給がある
- 店の車やスタッフの私有車で送る(白ナンバー)
- アルバイト運転手に謝礼を渡して送迎
→ これらはすべて「実質的な有償輸送」と見なされ、無許可営業=違法行為になります。
よくある誤解
誤解 | 実際は… |
---|---|
「送り代は給料に含まれてるからセーフ」 | 給料の中に“運賃的要素”が含まれれば有償と判断される可能性あり |
「知人が送ってるだけ」 | 継続的・業務的であれば無償の建前は通用しない |
「事故が起きなければバレない」 | バレなければ違法じゃないわけではない。事故時に一気に発覚するケースがある |
事故が起きたらどうなる?
- 白ナンバー車では事業用任意保険に未加入の可能性が高い
- 店側は道路運送法違反で行政処分・書類送検される恐れ
- 運転手も無許可運送で個別に処罰されるリスク
- キャストが死亡・重傷を負った場合、労災も適用されない可能性あり
では合法に送りたいならどうすれば?
対策はただ一つ:緑ナンバーの運送業者に委託すること
- タクシー会社と契約する
- 法人で「一般乗用旅客運送事業許可」を取得して運用する(超難易度高)
- キャスト自身が帰宅手段を選ぶ形にして送りを廃止する(現実的ではない)