デリヘル開業完全ガイド
無店舗型性風俗特殊営業届出のすべて|営業開始に必要な要件・手続き・注意点
いわゆる「デリバリーヘルス(デリヘル)」を営業する場合は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づき、無店舗型性風俗特殊営業としての営業開始届出が必要です。
このページでは、デリヘルを合法的に開業するために必要な届出要件、注意点、必要書類、手続きの流れを詳しく解説します。
無店舗型性風俗特殊営業とは
風営法第2条第6項に定義される性風俗特殊営業のうち、店舗を持たずにサービスを提供する業態が対象です。
主な業態は以下のとおりです
- デリバリーヘルス(ホテルヘルス・自宅派遣型含む)
- 出張ホスト(女性向け)
- ファッションヘルス(出張型)など
【重要】“無店舗”とはあくまで「客を迎え入れる店舗がない」という意味です。
スタッフやキャストが待機する場所(いわゆる待機所)や事務所は必要ですが、ここでサービス提供をしてはいけません。
【届出の要件】営業できるかどうかの前提条件
デリヘルを届け出するためには、いくつかの法的・物理的要件を満たしている必要があります。
◯ 営業所(事務所)の所在地
・用途地域は基本的に 商業地域、または 準工業地域 に限られます
→ 住居地域では開業不可(※自治体によって異なるため事前調査必須)
・学校・病院・児童施設などの保全対象施設からの距離制限あり(おおむね100m以内はNG)
◯ 営業所の構造
- お客様を受け入れる構造ではないこと(=待機所に客を入れてはいけない)
- 出入口が1つで外から見えにくい構造が望ましい
- 「性風俗サービスを提供している」ことを示す看板や広告物の掲示は禁止
◯ 運営責任者の資格
- 成年者であり、禁固刑や風営法違反などの前科がないこと
- 破産者・成年被後見人等ではないこと
- 法人の場合、役員全員が上記要件を満たす必要あり
【図面は必要?】
風営1号とは異なり、図面の提出は原則不要ですが、以下のようなケースでは簡易図面が求められる場合があります。
- 営業所の構造が不明瞭である
- 待機所が複数室ある
- 複合施設内に入っている(雑居ビルなど)
※当事務所では、必要に応じて簡易図面も作成可能です。
必要書類一覧
営業開始届出書(指定様式) | 警察署に提出する届出書本体 |
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営業の方法 | 警察署に提出する届出書本体 |
住民票 | 本籍記載のもの(営業者および役員全員分) |
建物賃貸借契約書 | 名義が法人または届出者本人であることが必要 |
使用承諾書 | 不動産オーナーが用途を承諾している書面 |
平面図 | 事務所や待機所の図面 |
周辺略図 | 保全対象施設との位置関係を明示(100m以内にないことを確認) |
建物登記簿謄本 | 建物の所有者を確認するため |
法人登記簿謄本(法人の場合) | 営業者が法人の場合に必要 |
よくある注意点とトラブル
- 事務所の住所が住居地域だった → 開業不可
- 自宅で営業所を兼ねようとした → 基本的に不可(規模・構造による)
- 店舗型と誤認される広告を出してしまい、指導・処分対象に
- 従業員(キャスト)名簿の未整備 → 警察の立入検査で指摘される
- サイトにサービス内容を詳細に書きすぎて風営法違反と判断された
開業後に必要な届出・管理業務
- 開業後も、以下の業務管理が必要です。
- 従業者名簿の整備(氏名・年齢・採用日など)
- 求人広告等のチェック(風営法違反表現の排除)
- 営業時間・派遣地域の制限遵守(22時以降や遠方派遣への注意)
- 変更届(代表者変更、住所変更など)
※当事務所では、開業後のサポートも可能です(顧問契約またはスポット対応)
まとめ|デリヘルの開業には法的な届出が不可欠です
デリバリーヘルスの営業は、「店舗がないから自由にやっていい」というものではありません。
むしろ店舗を構えない分、営業所の立地や構造、書類の整備、広告表現などが厳しくチェックされます。
当事務所では、開業前の立地選びから、書類作成、警察対応、開業後の運営支援まで一貫してサポートいたします。