風営1号と2号の違いとは?誤解されがちなポイント
風俗営業許可を取得する際によく出てくる「1号営業」「2号営業」という言葉。
ですが、「スナックはどっち?」「クラブって何号?」「カラオケ入れたらどうなる?」といった誤解や混乱が非常に多いのが現実です。
この記事では、風営法における1号営業と2号営業の定義と違い、そして現場でよくある誤解と注意点を行政書士の視点で詳しく解説します。
風営法における営業類型とは?
風営法第2条により、風俗営業は1号?8号の営業類型に分類されており、
そのうち最も該当者の多いのが「1号営業」と「2号営業」です。
1号営業とは?(接待飲食店)
法令上の定義(風営法第2条第1項第1号)
「客に接待をして、飲食をさせる営業」
■ 具体例
- キャバクラ
- クラブ(高級クラブ)
- ホストクラブ
- ラウンジ(接待あり)
- スナック(接待あり)
■ 「接待」とは?
風営法上の「接待」は、以下のような行為を含みます:
- 客の隣に座る
- 一緒に乾杯する・飲む
- 客のタバコに火をつける
- カラオケでデュエットする
このような接客を従業員が行えば、1号営業として許可が必要になります。
2号営業とは?(遊興飲食店)
法令上の定義(風営法第2条第1項第2号)
「客に遊興又は歓楽をさせ、かつ、飲食をさせる営業」
■ 具体例
- ダンスクラブ(DJイベント含む)
- ライブハウス(飲食提供がある場合)
- パブ・ショーパブ(接待なしでステージ鑑賞)
- お笑いライブ系の飲食店
■ 「遊興」とは?
- ダンス、音楽鑑賞、パフォーマンス鑑賞など、能動的でなくても娯楽性がある行為
客に接待しなくても、「踊らせる・楽しませる構造」があれば2号営業の許可が必要です。
1号と2号の違いの比較表
項目 | 1号営業(接待) | 2号営業(遊興) |
---|---|---|
中心行為 | 接待(お酌・会話) | 遊興(ダンス・鑑賞) |
接客 | 隣に座って接待 | 客と距離を取る(原則) |
カラオケ | 接待で使えば1号 | 客が勝手に歌うだけなら該当しない場合あり |
客席配置 | 接待しやすい構造(隣接型) | ステージ重視の配置(間隔あり) |
よくある業態 | キャバクラ、スナック、ホスト | クラブ、DJバー、ショーパブ |
よくある誤解と注意点
× 「スナックは飲食だけだから風営許可いらない」
→ 接待を伴えば完全に1号営業。たとえ小規模でも許可が必要。
× 「クラブでDJ流すだけなら風営法関係ない」
→ 客が踊る構造になっていれば2号営業の許可が必要(2016年の改正で一部緩和されたが要注意)。
× 「店側から声かけなければセーフ」
→ 客がキャストを呼べる仕組みがある時点で“接待構造”とみなされる可能性あり。
許可を取らずに営業した場合は?
- 6か月以下の懲役または100万円以下の罰金(風営法第49条)
- 営業停止命令、廃業勧告の対象にも
- 地域によっては営業実態をチェックする“覆面調査”も行われている
まとめ:1号と2号の違いを正しく理解しよう
観点 | 1号営業 | 2号営業 |
---|---|---|
接待あり | 〇 | × |
遊興あり | × | 〇 |
カラオケ | 接待付きで使えば1号 | ステージ的利用であれば2号の可能性あり |
よくある誤認 | スナックはOKと思われがち | バーでもダンスありで2号になる |